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こんにちは。豊中駅前さかい内科・循環器クリニックです。
今回は、患者さまからよく頂く「高血圧」に関する質問に、循環器専門医の立場からお答えします。
🌸 Q1. 血圧は毎日、自宅で測るべきですか?
はい。
家庭血圧の測定は、診断・治療のどちらにも非常に重要です。
診察室だけの血圧では「白衣高血圧」や「仮面高血圧(自宅で高いタイプ)」を見逃すことがあります。
そのため、自宅での定期測定が最も信頼できるデータになります。
🩺 測定のポイント
- 上腕カフ式の血圧計を使用
- 朝:起床後、排尿を済ませ朝食前に測定
- 夜:入浴直後を避け、就寝前に測定
- 安静に座り、心臓の高さでカフを巻く
- 測定前30分は飲酒・喫煙・カフェインを控える
- 2回測って5mmHg以内なら平均値を採用
📖 家庭血圧の目標値:125/75mmHg未満
記録は紙でもアプリでも構いません。継続が大切です。
🌸 Q2. 血圧の「上」と「下」、どちらが大事?
どちらも重要です。
ただし、それぞれが反映する身体の状態が異なります。
- 上(収縮期血圧):心臓の収縮力・動脈の硬さを反映
→ 高くなると 脳卒中や心筋梗塞のリスクが上昇 - 下(拡張期血圧):末梢血管抵抗を反映
→ 高くなると 腎臓・網膜など細い血管の障害に関係
つまり、「上も下も、どちらも軽視できない」のが答えです。
特に中高年では動脈硬化の影響で上の血圧だけが上昇(収縮期高血圧)することが多く、放置は危険です。
🌸 Q3. 時間帯で血圧が変わるのは問題ですか?
血圧には正常な日内変動があります。
睡眠中は下がり、朝に上がって、夜に再び下がるのが理想です(dipper型)。
しかし、次のようなパターンは注意が必要です。
| タイプ | 特徴 | リスク |
|---|---|---|
| non-dipper型 | 夜に十分下がらない | 心不全・腎障害の進行 |
| riser型 | 夜にむしろ上がる | 脳卒中リスク上昇 |
| morning surge型 | 起床時に急上昇 | 心筋梗塞・脳出血 |
これらのタイプは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることもあります。
夜間高血圧が続く方は、在宅簡易検査によるスクリーニングをおすすめします。
また、場合によっては降圧薬を夜服用に変更するなど、服薬タイミングの調整も行います。
🌸 高血圧は“無症状でも進行する”病気です
高血圧は自覚症状がほとんどありません。
しかし、知らないうちに血管・心臓・脳・腎臓など全身を傷つけるサイレントキラーです。
放置すると、
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- 心不全
- 腎不全 などの重大疾患につながります。
早期の治療と生活習慣の見直しで、これらを防ぐことができます。
🌸 よくある関連質問(FAQ)
Q. 家で測ると高く、病院では低いのですが?
A. それは「仮面高血圧」の可能性があります。家庭血圧を重視しましょう。
Q. 血圧の薬は一度飲み始めると一生続けるのですか?
A. 状況により減薬・中止も可能です。ただし、自己判断は禁物です。必ず医師と相談を。
Q. 血圧を下げる食事のコツは?
A. 減塩(1日6g未満)、野菜・果物の摂取、カリウム・カルシウムを意識することが基本です。
Q. 血圧の変動で胸が痛くなることがあります。関係ありますか?
A. 高血圧による心筋虚血や動脈硬化の進行が原因のことも。胸痛を感じたら早めに循環器受診を。
🌸 豊中での高血圧・胸痛相談は当院へ
当院は、
- 循環器専門医・抗加齢医学専門医による診療
- 家庭血圧データの分析と個別治療設計
- 胸痛・動悸・息切れなどの即日検査対応
を行っています。
📍 阪急「豊中駅」徒歩3分
📅 平日18:00まで/土・日診療
📞 06-6850-1230
🌸 高血圧の管理から、胸の痛みの早期発見まで。
豊中で“生活に溶け込む循環器診療”を提供します。
🌸 執筆者情報
酒井 拓
(医学博士/循環器専門医/抗加齢医学専門医/テストステロン治療認定医/CPAP療法士)
記事監修・更新日: 2025年10月31日




