
目次
こんにちは。
阪急「豊中駅」徒歩3分の
豊中駅前さかい内科・循環器クリニックです
健康診断の結果に、
「心電図:R波減高」
と書かれていた。
「R波って何?」
「心臓が弱っている?」
「心筋梗塞の跡だったらどうしよう」
症状がないのに、突然「心電図異常」と書かれると不安になりますよね。
R波減高は“病名”ではありません。
そして、
R波減高=心筋梗塞
でもありません。
健康な方でもみられることがありますし、心電図の電極位置や体格などで似た波形になることもあります。
一方で、過去の心筋梗塞、心肥大、心筋症などが背景にある場合もあります。
そのため、健診で「要再検査」「要精密検査」と判定された場合は、一度循環器内科で確認しておくと安心です。
この記事のまとめ
✅ R波減高は心電図所見であり、病名ではありません
✅ R波減高だけで心筋梗塞とは診断できません
✅ 健康な方でもみられることがあります
✅ 電極位置や体格の影響を受けることがあります
✅ 高血圧・心肥大・心筋症・過去の心筋梗塞などでもみられます
✅ 要精密検査なら、症状がなくても一度確認しておくとよいでしょう
そもそも「R波減高」って?
心電図では、胸にV1〜V6という電極をつけ、心臓の電気の流れをさまざまな方向から記録します。
通常は、V1からV5〜V6へ進むにつれて、R波という上向きの波がだんだん大きくなる傾向があります。
この増え方が弱いと、
R波減高
R波増高不良
などと表現されます。
日本循環器学会でも「R波増高不良」をpoor R-wave progressionとして用いています。
大切なのは、
これは“心電図の見え方”を表した言葉であって、それだけで原因は決まらない
ということです。
R波減高の原因は一つではありません
R波減高には、いくつかの原因があります。
✅ 健康な方にもみられる
R波増高不良は、心疾患のない方でもみられることがあります。古くから、正常例、陳旧性前壁心筋梗塞、左室肥大など複数の状態でみられる所見として報告されています。
✅ 電極位置の影響
胸につける電極の位置が少し違うだけでも、R波の大きさは変わります。
「去年は正常だったのに今年だけR波減高」
という場合、実際の変化だけでなく測定条件の影響も考えます。
そのため、必要に応じて正しい位置で心電図を再検査します。
✅ 心肥大・心筋症
高血圧などによる心肥大や、一部の心筋症でもR波の進み方が変化することがあります。日本循環器学会の心筋症関連ガイドラインでも、心筋症でpoor R-wave progressionがみられることが記載されています。
✅ 過去の心筋梗塞
前壁の心筋梗塞などで心筋に障害が残ると、R波が小さくなることがあります。
ただし、
「R波減高だけで過去の心筋梗塞と診断する」ことはできません。
症状、他の心電図所見、過去の心電図、心エコーなどを合わせて判断します。
✅ 症状がなくても精密検査は必要?
ここが最も気になるところだと思います。
症状がなく、R波減高だけを指摘された場合、
重大な心臓病が必ずあるわけではありません。
一方、
✅ 健診で「要精密検査」と判定された
✅ 去年まで正常だったのに初めて指摘された
✅ 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある
✅ 喫煙歴がある
✅ 家族に若くして心筋梗塞になった方がいる
✅ R波減高以外にも心電図異常がある
という場合は、一度循環器内科で確認しておくとよいでしょう。
大切なのは、
「R波減高があるか」だけではなく、その人に心臓病を疑う背景があるかを見ること
です。
胸痛や息苦しさがあるなら、健診結果より症状を優先
R波減高という所見より重要なのが、今の症状です。
もし、
強い胸痛・胸の圧迫感
強い息苦しさ
冷や汗
吐き気を伴う胸部症状
意識が遠のく
などがある場合には、
「R波減高だからかな」
と調べ続けず、速やかに医療機関へ相談してください。
症状が強く続いている場合は、119番への救急要請を含めて対応を考えます。
循環器内科では何を確認する?
全員に大がかりな検査を行うわけではありません。
✅ 心電図を再確認
まず、健診の心電図を確認します。
可能であれば、今年だけでなく過去の健診心電図も持参してください。
「以前から同じ波形なのか」
「今回初めて変化したのか」
を比較できることは、とても重要です。
✅ 心エコー
必要に応じて、
心臓の大きさ。
心臓の壁の動き。
心筋の厚さ。
弁の状態。
などを確認します。
高血圧による心肥大や、心筋障害を考える場合にも役立ちます。
✅ さらに詳しい検査
症状やリスク、心電図・心エコー所見から冠動脈疾患などが疑われる場合には、必要に応じてさらに詳しい検査ができる医療機関へつなぎます。
「R波減高だから全部検査」ではなく、必要な検査を選ぶことが大切です。
よくあるご質問
Q.R波減高=心筋梗塞ですか?
いいえ。
R波減高だけで心筋梗塞とは診断できません。
健康な方、電極位置の影響、心肥大などでもみられます。
Q.症状がなくても受診した方がいい?
健診で「要精密検査」と判定されている場合は、一度確認することをおすすめします。
精密検査=重大な病気がある、という意味ではありません。
再検査の結果、経過観察になることもあります。
Q.去年は正常でした。なぜ今年だけ?
本当に波形が変化した可能性もありますが、電極位置など測定条件による影響もあります。
過去の心電図との比較が役立ちます。
Q.R波減高そのものを治療するの?
R波減高そのものを治療するわけではありません。
背景に高血圧や心疾患などが見つかった場合に、その原因を治療します。
最後に|R波減高は「病名」ではありません
健診結果に、
「R波減高」
と書かれていると、
「知らないうちに心筋梗塞になっていた?」
と不安になるかもしれません。
でも、
R波減高は病名ではありません。
そして、
R波減高=心筋梗塞でもありません。
大切なのは、
以前から同じなのか。
ほかの心電図異常はないのか。
高血圧などのリスクはないのか。
心臓の症状はないのか。
を一つずつ整理することです。
豊中駅前さかい内科・循環器クリニックでは、健診心電図を循環器専門医が確認し、必要に応じて心電図の再検査や心エコーなどを検討します。
「症状はない。でも、このまま放っておいて大丈夫?」
そんな段階から相談して構いません。
健診結果は、病気を告げる紙ではなく、
これからの心臓を確認するきっかけ
でもあります。
「これって、心臓?」
そう思った不安を、次にどうすればよいかが分かる安心へ。
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執筆者情報
酒井 拓
(医学博士/循環器専門医/抗加齢医学専門医/テストステロン治療認定医/CPAP療法士)
記事監修・更新日:2026年9月19 日
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、
診断・治療を目的とするものではありません。症状がある場合は医師にご相談ください。




