
目次
こんにちは。
阪急「豊中駅」徒歩3分の
豊中駅前さかい内科・循環器クリニックです🍀
「動悸がする」
「階段で息切れする」
「寝ても疲れが取れない」
そんな症状が続いているのに、
「心電図は問題ありません」
健康診断でも、
「貧血はありません」と言われた。
それでも、やっぱりしんどい。
そんな女性に知っていただきたいことがあります。
🌸 ヘモグロビン(Hb)が正常でも、体の鉄が十分とは限りません。
鉄不足では、まず体に蓄えられている鉄が減り、さらに進行するとHbが低下して鉄欠乏性貧血になります。
その「鉄の蓄え」を確認する代表的な検査が、
フェリチンです。
つまり、
「貧血ではない」=「鉄不足ではない」
とは限らないのです。

🌸この記事のまとめ
✅ Hbが正常でも、鉄不足のことがあります
✅ フェリチンは「鉄の貯金」をみる代表的な検査です
✅ 月経量が多い女性では鉄不足に注意が必要です
✅ 鉄不足がある女性では倦怠感などがみられることがあります
✅ ただし、動悸を「鉄不足」と決めつけるのは危険です
✅ 心臓・鉄代謝・甲状腺などを必要に応じて確認することが大切です
🌸フェリチンとは?|「鉄の貯金」と考えると分かりやすい
患者さんには、
「フェリチンは鉄の貯金を見る検査です」
と説明することがあります。
イメージとしては、
Hb=今、血液の中で働いている状態
フェリチン=体に蓄えている鉄の貯金です。
毎日の支払いはできているけれど、貯金残高は少なくなっている。
それが、
「Hbは正常だけれど、貯蔵鉄が減っている」
状態のイメージです。
そのため、Hbだけでは早い段階の鉄不足を捉えにくいことがあります。
🌸「貧血なし」でも疲れることはある?
非貧血でフェリチンが低く、疲労を訴える女性では、鉄補充によって主観的な疲労が改善したという研究もあります。
つまり、
「Hbが正常だから、鉄はこの倦怠感に関係ない」
とも言い切れません。
ただし、
動悸や倦怠感=鉄不足
と決めつけることもできません。
動悸には、
-
不整脈
-
心臓病
-
甲状腺機能異常
-
更年期
-
ストレス
-
睡眠不足
など、さまざまな原因があります。
だからこそ、鉄だけを見るのではなく、症状全体から原因を考えることが大切です。
🌸こんな女性は「鉄の貯金」も確認したい
✅ 「貧血なし」と言われたのに疲れやすい
✅ 動悸・息切れが続いている
✅ 階段で以前よりしんどい
✅ 月経量が多い、月経期間が長い
✅ 過去に鉄欠乏性貧血を指摘された
✅ 食事制限やダイエットをしている
✅ 「更年期かな」と思っているが倦怠感が続く
当てはまるからといって、必ず鉄不足というわけではありません。
ただ、
「症状が続いているのにHbだけで評価が終わっている」
のであれば、フェリチンを含めた鉄代謝を確認する意味があります。
🌸なぜ女性は鉄不足になりやすい?
女性では、月経による鉄の喪失が重要です。
特に月経量が多い方では、
毎月失う鉄 > 食事などから補える鉄
となり、少しずつ鉄の貯金が減っていくことがあります。
また、
-
妊娠・出産
-
食事摂取不足
-
過度なダイエット
なども背景になります。
鉄不足が見つかったら、
「鉄が少ない」だけで終わらず、なぜ減ったのか
まで考えることが大切です。
🌸「更年期だから」で終わらせない
40代・50代の女性では、
動悸、倦怠感、息切れ、めまいなどを、
「更年期かな」
と思うことがあります。
もちろん、更年期でも動悸は起こります。
しかし、
更年期世代であることと、その症状の原因が更年期であることは同じではありません。
不整脈、貧血、鉄不足、甲状腺機能異常などが隠れていないか、一つずつ確認することが大切です。
🌸「心電図は正常。でもまだしんどい」
ここは、当院が診療で大切にしているところです。
動悸で受診された場合、まず不整脈や心疾患がないかを確認します。
必要に応じて、
✅ 心電図
✅ ホルター心電図
✅ 心エコー
などを行います。
そして、
「大きな心臓の異常はありません」
と分かった。
これは、とても大切な結果です。
でも、
「まだ動悸がする」
「まだ疲れている」
のであれば、そこで終わりにはしません。
必要に応じて、
✅ 血算
✅ フェリチン・鉄代謝
✅ 甲状腺機能
などへ評価を広げます。
心臓が正常だった=症状の原因がない
ではないからです。
🌸フェリチンはいくつなら鉄不足?
フェリチンは、一つの数値だけで機械的に判断するものではありません。
一般に低値では鉄不足が疑われますが、症状やHb、赤血球指数、TSAT、月経の状況なども含めて評価します。
また、フェリチンは炎症などで高くなることもあるため、
「フェリチンだけ見ればすべて分かる」
という検査ではありません。
🌸鉄不足が分かったら「鉄を飲めば終わり」ではありません
鉄不足が見つかったときに大切なのは、
「なぜ鉄が不足したのか?」
です。
女性では月経・過多月経、妊娠・出産、食事不足などが多いですが、場合によっては消化管からの出血などを考える必要もあります。
自己判断で鉄サプリを飲み続けるのではなく、まず原因を確認しましょう。
🌸こんな方は一度ご相談ください
✅ 動悸・息切れが続いている
✅ 倦怠感が強く、日常生活に影響している
✅ 「貧血なし」と言われたのに症状が続く
✅ 月経量が多い
✅ 更年期だと思っているが症状が改善しない
✅ 心臓を調べても大きな異常がないのに、動悸や疲労感が残っている
一方、
動悸+強い胸痛
動悸+強い息苦しさ
動悸+失神
がある場合は、鉄不足だけを考えず、速やかな循環器評価が必要です。
🌸よくあるご質問
Q.Hbが正常なら貧血ではないですよね?
Hbが基準範囲なら一般的な貧血には該当しないことがあります。
ただし、鉄不足がないことを意味するわけではありません。
Q.フェリチンとは何ですか?
体内の鉄貯蔵状態を評価するために使われる検査です。
患者さん向けには、「鉄の貯金を見る検査」と考えると分かりやすいでしょう。
Q.フェリチンが低いと動悸の原因になりますか?
鉄不足が症状に関係している可能性はありますが、動悸の原因をフェリチンだけで決めることはできません。
不整脈や甲状腺機能異常なども含めて評価することが大切です。
Q.健診ではフェリチンを測らないことがありますか?
はい。一般的な健診ではHbは測っても、フェリチンが含まれていないことがあります。
🌸最後に|「貧血なし」で終わらず、“鉄の貯金”まで考えてみる
動悸や倦怠感がある。
心電図は正常。
健康診断でも、
「貧血はありません」
と言われた。それでも、しんどい。
そんなとき、
「検査が正常だから仕方ない」
と諦める必要はありません。
Hbが正常でも、
体に蓄えている鉄=貯蔵鉄が減っていることがあります。
その手がかりの一つが、フェリチンです。
もちろん、
すべての動悸や倦怠感が鉄不足で説明できるわけではありません。
だからこそ、
心臓だけを見るのでもなく、
鉄だけを見るのでもなく、
「なぜ、まだしんどいのか」を一つずつ確認すること
が大切です。
「心電図は正常でした。」
「Hbも正常でした。」
でも、「まだ、しんどい。」
その“まだ”の中に、原因を見つけるヒントが隠れているかもしれません。
豊中駅前さかい内科・循環器クリニックでは、
その日、その瞬間の「不安」を、その場で「安心」に変える医療
を目指しています。
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🌸執筆者情報
酒井 拓
(医学博士/循環器専門医/抗加齢医学専門医/テストステロン治療認定医/CPAP療法士)
記事監修・更新日:2026年8月17日
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、
診断・治療を目的とするものではありません。症状がある場合は医師にご相談ください。




